下北沢の「マジックスパイス」という、有名なスープカレー店に行きました。
たしか、吉本ばななさんの「下北沢について」という本を読んで知って、それからずっと気になっていたのです。
駅から北沢タウンホール方面へ歩き、ディスクユニオンの方へ道路を渡って、古書ビビビを過ぎ、シアター711の手前を右折。ちょっとした坂道を上ったところに、「マジックスパイス」はあります。
エキゾチックな店構え。その隣には、本物の教会!
店内へ。天井には曼荼羅。
情報処理が追いつきません。
案内され、席へ。
お店はとっても広くて、奥の奥まであります。これはほんの一部。
えーと、注文は……
① カレーを選ぶ
② チキンベース or トマトベース を選択
③ 辛さを選ぶ
④ お好みでトッピングを追加
という流れのようです。
ポーク角煮の下に書かれている説明書きの
“ 泣く子も沈黙…父感涙 ”
がめちゃくちゃ気になります。どんな角煮なんだ!
でも今回は、ネパールギョウザの「モモ」が気になったので、
「モモ」のチキンベースを選びました。
昔のビッグカメラの紙袋のような配色のメニューから、トッピングを選びます。
湿度も気温も高いじめじめした日だったので、気分的にパクチーを乗せてサッパリしたくなり、追加。
メニュー表に涅槃の説明が載っている……!
涅槃(Nirvana)とは欲望、葛藤、苦悩等といった日常私達の心身を蝕み悩ませ続けている様々な「煩悩」「我欲(エゴ)」を消し去ることで得られる、絶対的自由の状態、理想的な境地、超越的至福のことを言います。
下北沢以外にも、札幌、名古屋、大阪に出店しているようです。
というか、札幌が本店らしいのですが、一度も行ったことがありません。札幌本店は白石区にあるため、地下鉄東西線に乗る必要があります。いつもさっぽろ駅と大通駅とすすきの駅近辺で用を済ませる自分には縁がありませんでしたが、いつか行ってみたいと思いました。
歌詞も載っている!?
この曲が店内で流れています。しれっと。他の曲に紛れて、気づいたら流れています。
ピンポーン
店員さん「ご注文はお決まりですか?」
わたし「モモのチキンベースに、パクチートッピングで」
友だち「チキンのチキンベースと、バナラッシー1つ」
店員さん「辛さはいかがいたしましょうか?」
ふたり「「あっ」」
いや、
見てもわからん!!!
わたし「どれが中辛ですか?」
店員さん「涅槃ですね」
わたし「じゃあ、涅槃で」
友だち「わたしも涅槃で」
どんな会話だよ!
きました♩スープカレー♡
1口食べると……
((辛い!?!?))
わたしはそこそこ辛いものでも食べられると思っていたのですが、辛党の中辛とは基準が違ったということでしょうか。これ、家庭のカレーの辛口以上じゃないか!?!?
「はじめてスープカレーを食べる」と言っていた友だちが、涙目で食べている姿を見て、ものすごく申し訳ない気持ちになりました。
でも、わたしも、友だちも、「味はすごくおいしい」と言いながら食べていたので、適切な辛さを選択して注文すれば、全く問題なかったと思います。
店員さん「いらっしゃいませー」
店員さん「こちらのお席へどうぞー」
男子学生A「いやー久々だなー」
男子学生B(きょろきょろしている様子)
男子学生C「どうやって頼んだらいいの?」
男子学生A「まず、カレーが10種類あるわけ。具とベースと辛さを選んで、トッピングを乗せればいい」
男子学生B「ふーん」
男子学生C「辛さはどれがいいの?」
男子学生A「ある程度のところからはじめて、徐々に上げていくのがいいかな。俺は辛すぎると食べられないから、天空にしている」
天空!?!?
男子学生B「上から2番目じゃん!」
男子学生A「そう。低いところからはじめて2段階飛ばしで食べて、ここに落ち着いた。虚空だと辛すぎて味わえない。弟は虚空で食ってる」
涅槃でヒイヒイ言っているわたしたちは、食べ終えるまでほぼ無言で、ひたすら目の前のスープカレーを口に運び続けました。
金欠のわたしは飲み物代をケチって水で凌いでいたのですが、辛さに耐えられず、ラッシーを注文しました。辛みが緩和されて、美味しく完食できました。
そしてまた別のお客さんが来ました。ロックな感じの男性ふたりです。
店員さん「辛さはお決まりですか?」
ロックな男性「どれが普通の辛さですか?」
店員さん「一般的なカレーの中辛は、瞑想(下から二番目)です。」
えっ、涅槃じゃないの?笑
店員さんによって辛さの説明ちゃうやん!。・゜・(ノД`)・゜・。
なにはともあれ……
友だち「涅槃をみたね」
そうだね、わたしたちはまさに、極楽の手前にまで至っていたのかもしれません。
ごちそうさまでした。また行きます。