13時50分、ハイキングコースのスタート地点に着きました。
ハイキングコースは大きく分けて3種類。
青コースは、ハウカランピ湖の周囲を3.7km歩く、最も人気のコース。
赤コースは、気軽に楽しめる2.4kmのコース。
黄コースは、4つの湖沼を巡る7.2kmのコース。
わたしは、青コースを歩くことにしました。
複数のコースを組み合わせて、独自のルートを作ることもできます。
『かもめ食堂』のポスターと全く同じ風景を見られるのは、赤コースだと思います。
入口付近。るんるん。
ハッ!ハウカランピ湖!!!
桟橋まで出て湖の写真を何枚か撮った後、近くの木製のベンチに座っていた女性に、例によって「May I ... (sit here) ?」と尋ね、その方の隣に腰を降ろしました。前日の雨でベンチも濡れたようです。日陰にあるため乾ききっておらず、湿っています。
「あっち空いたみたいですよ、行きましょう」
その女性が教えてくれ、わたしたちは日向の方にある、乾いたベンチに移りました。
「どこから来たの?」
「日本です。どちらからですか?」
「アメリカのボストンです」
その方はフィンランドに住むお友達に会いに来たそうで、その友達の家に1ヶ月間滞在しているのだそうです。お互いの旅程や経由した空港などについて話していると、その方のお友達がやってきました。
「あなた、ひとりで日本から来たの!?」
どこでも驚かれます。現地の人からすれば、とても20歳には見えないのでしょう。小さな子どもが遠い東の国からやってきた、みたいな。
「ヘルシンキからどうやってここまで来たの?」
「電車とバスを乗り継いで来ました」
「まぁ!」
「車で来るのが一般的ですか?」
「もちろん!」
二人は、ジップロックに詰めてきていたフルーツを食べ始めました。
わたしは、朝キオスキで買ったスニッカーズを食べます。
映画『かもめ食堂』では「森ガ、アリマス」と
フィンランド人の青年が言う、印象的な台詞があります。
そこでわたしは、気になっていたことを質問しました。
「よく、森には来られるんですか?」
「フィンランドは、どこも森だからねぇ。家の裏にもあるし」
「だから、毎日行けるの」
目から鱗でした。
「国立公園なんて来る必要ないんだけど、今回はアメリカから友人が遊びに来ているから訪れたのよ、わたしも初めて来たの」
昼食を終えて、席を立ちました。「そこのモモンガのマーク、来訪の証に撮っておいたらいいよ」と言われたので、撮りました。