ドーハからロンドンへ
日本を22時20分に出発、11時間のフライトを経てドーハに到着。日本時間であれば朝9時25分ですが、現地時刻は午前3時25分です。
沢木耕太郎の『深夜特急』という小説の2巻(マレー半島・シンガポール編)の10ページに、こんな記述があります。
離陸は予定よりかなり遅れて四時五十分だった。バンコク到着は六時二十分。では、僅か一時間三十分で着いてしまうのかといえば、もちろんそんなことはない。本来は二時間半かかるところを、一時間三十分で飛ぶことになるのは、時差というものが存在するためである。香港とタイとの間の時差は一時間。つまり、南廻りの飛行機は太陽を追いかけて飛ぶため一日の時間が長くなり、それだけ一日を長く生きることになる。ずいぶん得をするような、逆に損をするような、妙な気がする。もちろん、それはいつか日本に帰る際、ツケのように取り戻されてしまうのだが。
わたしはこの文章で、時差を「ツケ」と表現しているところが好きです。日本からドーハまでのフライトで6時間得した気分になりましたが、帰るときに全て取り戻されます。
深夜の空港は、静まりかえっています。乗換までの2時間、することもなく、暇です。
成田から来た人が多いので、まだまだ日本語は聞こえます。自分が中東にいることはわかっているけど、実感が湧きません。搭乗時もドーハの外の空気は一度も吸っていません。
祈祷室の案内表示
5時15分、ようやく搭乗口の待合室まで来ました。テレビが点いていますが、消音です。病院を舞台にしたコメディドラマっぽい。中東版『ナースのお仕事』?
午前6時35分、ドーハ出発です。今度のフライトは7時間。日本からロンドンまで、計18時間のフライトです。わたしにとっては乗換便だけど、ドーハの人にとっては早朝便。みんな眠そうです。
朝食は、スクランブルエッグです。
機内では「いつか観よう」と思ってずっと観ていなかった『グレイテスト・ショーマン』を観ました。わかりやすい話と豪華な演出で、楽しい気分になりました。
出発から3時間半、ようやくイスタンブール上空です。アラビア半島でかすぎ!
予定より30分早まって、午前11時30分、ロンドン・ヒースロー空港到着です。
遠かった…!