いつかの「松方コレクション展」

2019年6月11日~9月23日に開催された「国立西洋美術館開館60周年記念 松方コレクション展」に行ったのですが、そういえば記録をしておりませんでした。今さらですが、個人的な備忘録として残します。画像はありません。適当に流し読みをするか、ブラウザの「もどる」ボタンを押してください。よろしくお願いします。

 

 

感想

 

松方幸次郎さんって、誰?

川崎造船の初代社長と聞いてもピンとこない~

 

と思っていたけど、この方が収集をがんばってくださったおかげで、今日の国立西洋美術館に良質なコレクションが揃っている、ということでいいの、かな?

混んでいてじっくり鑑賞する気になれず、いつもより早いペースで周ったら、1時間で見終わった。その後、ゴーギャンの絵を素通りしたことに気がつき、もう一周した。

鑑賞後はミュージアムショップで気に入った絵のポストカードを買うのが恒例。しかし、気に入った絵のほとんどがポストカードになっていなかった。ゴッホの『星月夜』や『夜のカフェテラス』は大好きだけど、なぜ展示されていない絵のポストカードが売られているんだ!

 

気に入った絵

 

① ウジェーヌ=ルイ・ジロー『裕仁殿下のル・アーヴル港到着』1921-22/国立西洋美術館、東京

▶ 空の雲と海の色がやわらかくて好きだった。

 

② アルフレッド=フィリップ・ロール『木かげ』1905/国立西洋美術館、東京

▶ 額縁の中の風景に自分がいることを想像できる絵が好き。例えば、ウィーン・モダン展で観た『シュテファン大聖堂』の絵画のような。今回の『木かげ』も五感が刺激される絵だった。ただし、絵の中にいた4人の女の子とは友だちになれなさそうだった。

 

③ クロード・モネ『舟遊び』1887/国立西洋美術館、東京

▶ 幻想的だった。水面に映る船も。

 

④ アルフレッド・シスレー『サン=マメス 六月の朝』1884/石橋財団アーティゾン美術館、東京

▶ この絵も、その風景の中にいる自分を想像できた。匂いも風も気温も湿度も。爽やかでとても好き。

 

印象的だった絵

 

① ピエール=オーギュスト・ルノワール『帽子の女』1891/国立西洋美術館、東京

② ピエール・ピュヴィス・ド・シャヴァンヌ『貧しき漁夫』1887-92頃/国立西洋美術館、東京

▶ これらの二枚の絵画が並べて飾られていたことが印象的だった。①は随分と上品だった。映画『ナイトミュージアム』のように絵が動いたら、②の漁夫は耐えられないだろうなぁ。あれ、『ナイトミュージアム』って絵じゃないか。絵が動くのは『ハリー・ポッター』か?

 

③ クロード・モネ『芍薬の花園』1887/国立西洋美術館、東京

▶ うしろにいた女性ふたりが「モネっぽくない色」と言っていた。赤が使われていて、動きがあって、わたしは好き。

 

気になった絵

 

① フィンセント・ファン・ゴッホ『ばら』1889/国立西洋美術館、東京

▶ 常設展で見たときに気に入った絵だ。飾られる場所で印象が変わる。今回は気高く見えた。前回は大人しくて可憐に見えた。常設展でひとりでゆっくり見たい一枚。この絵の近くに、パリのオルセー美術館からやって来た、ゴッホの『アルルの寝室』とゴーギャンの『扇のある静物』という絵画が飾られていた。

 

② クロード・モネ『積みわら』1885/大原美術館、倉敷

▶ 北海道立近代美術館の「ポーラ美術館展」で見覚えがあると思ったが(ややこしい)、『積みわら』シリーズは25点あるらしい。多すぎるよ。

 

③ ピエール=オーギュスト・ルノワール『アルジェリア風のパリの女たち(ハーレム)』1872/国立西洋美術館、東京

▶ なんか引っかかった。

 

④ クロード・モネ『睡蓮、柳の反映』1916/国立西洋美術館、東京

▶ モネさん、睡蓮も描きすぎ。 

 

総括

 

私は写実的な風景画が好きなのだけれど、今回の展示で印象に残った絵画の多くは、主にモネの作品だった。

ポール・ゴーギャンの絵とエドヴァルド・ムンクの絵は1周目で素通りし、目録を見てから存在に気づき、2周目でようやくちゃんと見た。ゴーギャンのは静物画で、ムンクは北欧の気候のせいか、情緒が安定していない感じだった。

最終日前日で、しかも日曜日だったから、めちゃくちゃ混んでいた。

気に入った絵のほとんどが上野の国立西洋美術館に収蔵されているものだったから、見たいと思えばいつでも見に行くことができそうだ。