成田からプラハへ

2019年12月14日(土)午後8時40分

成田国際空港 第1ターミナル

 

「こんばんは」

「よろしくお願いします」

 

鉄道で巡るクリスマスの中欧、スタートです☆

 

 

ターキッシュエアラインズ

 

まずはロシア上空を横断してイスタンブールを目指します。同じくトルコ航空を利用されたかずわん(id:superlanza230)さんもブログで書かれていましたが、わたしたちも定刻の23時から22時30分に出発時刻が早まりました。トルコ航空ご利用予定の方はお気をつけください。

 

superlanza230.hatenablog.com

 

f:id:mizubelog:20200103011615j:plain

カッパドキア

 

f:id:mizubelog:20191226210439j:plain

ハギア・ソフィア大聖堂

 

機内食です。トレーを受け取って上下逆さまに置いちゃいました。おしぼりから香る強烈なフレグランス臭が料理の匂いを打ち消していますが、味は美味しいです。

食後は映画『グリンチ』でクリスマス気分を高め、1時間寝て起きてを繰り返しました。Tさんは隣でトルコ映画を観ていました。


f:id:mizubelog:20191227132747j:image

 

黒海の上で朝食を。

CA「Water?」

隣の関西人「No, No, No! Tonic Water!」


f:id:mizubelog:20191227132723j:image

 

もうすぐ着陸。眼下にキラキラとオレンジ色の夜景が広がっているのが、隣の席の窓から見えます。


f:id:mizubelog:20191227132743j:image

 

12時間45分のフライトを経てイスタンブールに到着。


f:id:mizubelog:20191227132715j:image

 

IKIGAI

 

イスタンブールの空港書店で『IKIGAI』という本が€3.5(¥430)で売られていました。日本の「生き甲斐」という概念がトルコ語で説明されています。「生き甲斐」の「生き」とは何か、「甲斐」とは何か、さらに「甲斐」の「甲」とは何か、「斐」とは何を意味するのかが解説されていました。品詞分解が独特。


f:id:mizubelog:20191227132734j:image


さらに、ベン図で「IKIGAI」が図説されていたり、片桐はいりに酷似した女性が気功をやっているイラストが載っていたりと、充実の内容。巻末では突然、

 

Türkçe Türkçe Türkçe Türkçe Türkçe

Türkçe Türkçe Türkçe Türkçe Türkçe

 

「ここにしかないわたしの

 いのちあなたのいのち」


Türkçe Türkçe Türkçe Türkçe Türkçe

Türkçe Türkçe Türkçe Türkçe Türkçe


「いまここ」

 

Türkçe Türkçe Türkçe Türkçe Türkçe

Türkçe Türkçe Türkçe Türkçe Türkçe


「しあわせはいつも自分の心がきめる」

 

Türkçe Türkçe Türkçe Türkçe Türkçe

Türkçe Türkçe Türkçe Türkçe Türkçe


「そのままでいいがな」

 

Türkçe Türkçe Türkçe Türkçe Türkçe

Türkçe Türkçe Türkçe Türkçe Türkçe

 

と、メッセージ性の強い日本語がトルコ語に挟まれる形で紹介されていました。何ゆえ最後だけ関西弁!? 本は買いませんでしたが、大いに楽しみました。

 

ボンゴ

 

チェコ時間で朝6時に搭乗。窓側席の黒人の方が、離陸前から体を斜めにして、窓の外をずーっと眺めています。朝の空の色はきれい。

 

チェコ。そして、プラハ。

ある人は「建築がおもしろい」「ビールが安くておいしい」「ずっと歩ける街だ」と言い、ある人は「もう二度と行くことはないと思う」と言います。最後の人は、性格がプラハの街に合わなかったそうです。スペインや南米が似合うような、底抜けに陽気な人なのです。

その話を聞いて、わたしとTさんは俄然自信が増しましたが、果たして、わたしたちはチェコに受け入れられるでしょうか?

 

機内食。トマト、たまご、乳製品が好きなので、とても満足な朝食でした。


f:id:mizubelog:20191227132752j:image

 

座席は窓側に黒人の方、その隣にTさん、通路側にわたし、という順番で座っています。黒人の方が機内食を食べ終えたあとのテーブルで両手をタップし、ビートを刻みはじめました。カルディでかかってそうなリズムです。

 

「ヨーロッパで聴くはじめてのコンサートかもしれない。特等席で見れている」

「S席だね」

 

っていうか、歌ってない? 歌ってるよね!?」

「前の人がめちゃくちゃ迷惑そうにしていて、後ろをじろって見るのが、隙間から見える(笑)」

 

 

「サーーーサロメ、サーーーサロメ」

 

 

という歌詞を永遠にリピートしながらリズムを刻んでいます。左手のところにおしぼりを置いて、微妙に違う音が鳴るようにしています。

時たま「サロメサロメ〜」と倍テンしたり、「サロメ〜〜↑↑」と上がったりします。よく見たらドラムのハイハットやバスドラを演奏するように、両脚も動いていました。

 

「隣の人の演奏が佳境に入っているんだけど^^;」

 

f:id:mizubelog:20191227132739j:plain

 

前の座席の人はもぞもぞと動いて、ついに背中をつけるのをやめました。ヒジャブを巻いている美しい女性でした。

もう30分以上演奏しているのではないでしょうか? 座席前の黒い画面に窓から光が射し、演奏者の口元が反射して見えるのですが、常に口元が動いていて、ずっと唄っている様子が見えます。

 

「ブダペスト上空で聴くボンゴの調べ」

 

f:id:mizubelog:20200104001156j:image

 

はっ!

 

シートベルト着用サインがついたらテーブルを元の位置に戻さなきゃいけないので、演奏が終わってしまいます。

 

「その前に収拾つけないと」

「CAさん、どこからツッコむんだろう」

 

シートベルト着用サインが点灯しました。

 


「Excuse me! Could you close the table and return it to the original position?」

 

 

CAさんは冷静に忠告をして、あっさりと過ぎて行きました。

 

「かなしいきもちになった……」

「おもちゃを取り上げられたときのような……」

 


ところが!

 

彼の演奏はまだ止まっていなかったのです!!

 

 

テーブルを元の位置に戻された彼は、ついに、自分の脚を叩きはじめました!

 


「彼の音楽は誰にも止められない……!」

 


彼はまだ、歌い続けています。

 


「なんか語ってるんだけど、ほんとに、どうしたらいい?www」

 

いつの間にか歌ではなく、ポエムになっていました。


「今さらだけど、ここ6席、人種のるつぼだよね」

「ほんとだw」

 

たしかに、

前列:窓|ヒジャブを巻いた中東の女性|中国人男子|中国人男子|通路

後列:窓|アフリカ系の男性|日本人女子日本人女子|通路

となっています。 

 

 

着陸してもなお、台詞パートは続きます。

機内食の後から演奏が続いていましたが、

離陸前の窓の外を眺めているところから

パフォーマンスは始まっていたのでしょうか。

 

移動できない、狭い足元、飛行機の中という閉塞感も相まって、臨場感溢れる演奏を楽しませていただきました。前の席の人はさぞかし迷惑だったと思いますが、わたしたちはめちゃくちゃ楽しみました。

 

 

朝9時、チェコに到着。

 

夕暮れのような天気です。

 

mizubelog.hatenablog.com