ヘルシンキ⑦ ホステル・トラブル

 

19時45分。ヘルシンキ市街地から約7km離れた場所にあるユースホステルに着きました。

前日のホステルと同系列だから、チェックイン時間の前にメールで部屋番号と暗証番号が知らされるはずなのに、メールが届かないんです。正面玄関のドアさえ開けられません。5千円×2泊分、支払済みなんだけどなぁ。

 

正面玄関前では宿泊客の男の人たちがタバコを吸っていて、そのうちのひとりの、太った酔っ払いのおじさんに「どうしたの?」と声をかけられました。

 

「メールが来なくて、ドアの暗証番号がわからず、中に入れないんです」

「ここは、宿泊客しか、入れないんだよ」

「予約はしてるんです!でも、メールが来ないんです…」

 

おじさんは不思議そうな顔をしていましたが、鍵を解除してドアを開けてくれました。

 

会う人会う人、男性ばかり。誰かとすれ違う度に「えっ、アジア人のお嬢さん、こんなところに何しに来たの?」みたいな目で見られる。なんだか情けなくなってきました。

 

メールが来ないから、部屋番号がわからない。

受付に人がいないから、聞くこともできない。

 

先ほど一服中にドアを開けてくれた酔っ払いのおじさんが、ロビーに戻ってきました。

 

「部屋がわからないの?」

「メールが来なくて…」

 

すると、近くにいた男の人(シラフ)も「なになに?」と声を掛けてくれ「カスタマーサポートに電話したら?」と教えてくれました。

酔っ払いのおじさんに「フィンランド語話せる?」と聞かれ「話せません」と言うと、シラフの男性は呆れた顔でどこかへいなくなり、おじさんは自分の部屋に戻って電話をかけてくれました。ホステルに滞在してるってことは旅行者だと思っていたのに、現地の言葉を不自由なく話せるって、あのおじさんはいったい何者だ?

 

「電話してみるけど、もし嫌じゃなかったら、俺の部屋貸すよ。今晩、俺は友だちの部屋で寝るから、気にしなくていいよ」

「いえいえ!申し訳ないので大丈夫です。2泊も借りるわけにはいきませんから」

親切な気持ちはありがたいけど、暗証番号を把握されたまま部屋を借りるのは、危ないなぁ。

 

「とりあえず電話してくるから、待ってて」

 

・・・・・ ・・・・・ ・・・・・

 

暫く待ちました。おじさんは戻ってきません。

ロビーには、わたしと、誰かのことを待っている男性がいるだけ。

 

わたしは、ほとんど泣きそうになっていましたが、スーツケースから充電器を取り出して、残り充電が20%を切ったスマホを電源に繋ぎ、エクスペディアでヘルシンキ中心部のホテルを探し始めました。そして数分後には、今日と明日泊まれるホテルを見つけ、オンライン決済で予約を完了させました。

 

すると、おじさんが戻ってきました!

 

「繋がらなかったよ…」

 

無人ホステルなのにカスタマーサポートセンターも繋がらないって、ダメじゃない!?

 

「結局、部屋はどうする?貸すよ」

「あの、別の宿をとったので、なんとかなりそうです。お気遣いいただき、ありがとうございました」

 

「そっか、気をつけてね」

「はい、本当にありがとうございました」

 

 

「市内まで運転するかい?」

 

 

あの、見るからに酔っ払ってますよね!?

 

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20時30分、再びバスに乗りました。

市街地に戻り、新しく予約したホテルにチェックインします。

 

バスには酔っ払いが乗っていて、後ろで叫んでいます(さっきの親切なおじさんではありません)。それを除けば、とても和やかなバスでした。バスに乗るときに、スーツケースを持ちながらまごついていたら、金髪の方が微笑みながら「お先にどうぞ」と言って先に行かせてくれたり、後ろにいた茶髪のドラッドヘアの若者に「詰まっちゃってすみません」と謝ったら「No Problem!」と明るい笑顔で笑ってくれたりと、どの人も親切でした。酔っ払いは途中で運転手に強制的に降ろされ、いなくなりました。バスには平穏が訪れました。

 

バスに乗りながら、とても家族に電話したいと思いました。経済的にも、精神的にも、まだ依存しているんだな、と思いました。

 

疲れました。


・・・・・ ・・・・・ ・・・・・

 

21時15分、ホテルに到着です。


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クラシックなホテル、フレンドリーな受付嬢。


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ちょっと古いけど、歴史ある通りにあって、交通アクセスも良くて、トイレもシャワーも洗面所もドライヤーもあって、朝食も付いて、1泊1万円。フィンランドの物価で考えると、コスパがいいと思います。

変えてよかった…明日は部屋から出られないや、ずっと休んでいたい。


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そういえば、ホステルの朝食用にスーパーで買ったガーリックフランスと冷えたピザパンが残っていたのですが、明日は朝食が出るので、夜食に食べちゃいます。めちゃうまぁ。


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21時30分、ようやく、リラーックス。

 

Nocturnal

Nocturnal

  • チャーリー・ヘイデン
  • ラテン
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

ふわふわのベッドで吸い込まれるように寝ました。7時30分起床。ヘルシンキにいたことを忘れて夢を見ていました。夢の中で、小さい女の子に料理を教わっているところでした。アラームをかけていなかったら、ずっと寝ていたと思います。 

 

9時30分、朝食。ビュッフェスタイル。リンゴンベリーのソースは本来、肉にかけるために用意されていたのだと思いますが、ヨーグルトにかけて食べました。ミートボールは、びっくりドンキーのハンバーグのような味で、美味しかったです。

 

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つづく

 

mizubelog.hatenablog.com