ヘルシンキ中央駅に戻ってきました。
フィンランドの大手コーヒーチェーン「ロバーツ・コーヒー」で一休み。
Sサイズのコーヒーが3ユーロ(387円)、Lサイズのシナモンロールが2.9ユーロ(374円)。わたしの声が小さくて聞こえなかったのかミルクを貰えず、ブラックで飲むことになりましたが、シナモンロールの甘さと相まって、美味しかったです(これを機にブラックコーヒーを飲めるようになりました!)。苦すぎず、優しい味わいの、暖かいコーヒー。紅茶のようにスーッと飲めます。薄いって意味じゃないですよ!濃くもないけど。
▼ ちなみに同じコーヒーを埼玉の飯能市でも飲めます。
18時36分の電車で空港に向かいます。大人しく乗っていましたが、イギリスで乗換に失敗したことがトラウマで、「電車間違えてないかな!?」と急に心配になり、途中の駅で一旦降りました。
ヘルシンキ・ヴァンター国際空港に行くため、行先に飛行機の記号がついた電車に反射的に乗ったけど、まさか別の空港に向かっていないよね!?だって、「Lentoasema」って、ヴァンターのヴァの字もないよ!?
と、焦りましたが、合っていたみたいです。なんだ、よかった…
19時06分、改めて同じ系統の電車に乗車。スマホ充電中。座った座席がつば臭い。誰か、この席に向かって盛大なくしゃみでもしたのかな。
空港着。 20時30分、カタール航空のカウンター前にいます。
(あれ?あの男の人、昨日見たかも…)
「すみません、日本人の方ですか?」
オランダでHさんに話しかけたときは「『Are you Japanese?』ではなく『Where are you from?』と訊くべきだった」と反省しましたが(下記参照)、この時に至っては「日本語で話しかけて『What?』という顔をされたら、謝って立ち去ればいいんじゃないか?」と思うようになっていました(雑)
「恐れ入りますが、昨日アアルトのスタジオにいらっしゃいましたか?」
「え、いました!」
「スタッフの方に質問されていました?」
「はい。見られていたの、はずかしいなぁ笑」
わたしが持っていたのはショルダーバッグと小さいスーツケースだけでしたが、その方は特大のスーツケースをカートに2つ乗せていました。
「お仕事は何をされているんですか?」
「まだ働いていないですよ!学生です」
「じゃあ、これから就活ですか!」
(うわ、現実突き付けてくるなぁ…笑)
チェックインカウンターが開くまでの間、いろいろ話しました。なんと、その男性も北海道出身!世界は狭いなぁ。京都の大学を出て東京の会社に勤め、スコットランドに留学した後にシンガポールで働き、ヨーロッパを2か月間旅して、今日北海道に戻るそうです。
そうか、この先の人生、いろんな選択肢があるんだなと、わかりました。短い時間でしたが、お話しできてよかったです。その方は、フィリピン人の彼女を待っているということでしたので、わたしはお先に荷物検査のゲートを通過しました。でも、同じ便で日本に帰るので、搭乗のときに再び機内で会いました。
そういえば、ほとんどお土産を買っていなかったことを思い出しました。スーツケースを預けたあとにお土産を爆買いしたため、お土産がぎゅうぎゅうに詰め込まれた大きな紙袋を、機内に持ち込むことになりました。
アアルト自邸では何も買いませんでしたが、やっぱり何か欲しくなって、自分用にアルヴァ・アアルト・コレクションのボウルを買いました。湖をモチーフにした、ゆらめくフォルムです。
23時、ようやく搭乗です。お隣の方はザンビア人で、南アフリカのヨハネスブルグから来たそうです。細身の長身で声が低い、メガネをかけた格好良い女性でした。「Glee」という海外ドラマ(学園ミュージカルもの。主人公を演じていた俳優が薬物依存で亡くなり、視聴率が低迷して打切りになった)に出てくるスー先生に似ていました。
機内のアナウンスが流れた後に「パイロットの英語がとてもアメリカ風だね」と話しかけられましたが、正直わかりませんでした。もし「パイロットの英語がとてもイギリス風だね」と言われても、そういうものかな?と思って「そうですね」と同意したと思います。
その方は、ヘルシンキにビジネス目的(展示会)で来たそうです。そしてなんと、その方の息子さんは大学生のときに半年間、日本の上智大学に留学されていたのだそうです!そのようなこともあり、その女性も日本に興味があるようで、気さくに話しかけてくださいました。
午前2時50分、変な時間に食事が出されました。スクランブルエッグです。
午前4時52分、着陸が近くなり、シートベルトサインが点灯しました。
「そろそろスリッパから靴に履き替えようかな」と下を向いた瞬間、
鼻血が噴き出しました。
暑さのせいか?高度のせいか?乾燥のせいか?
短期間に何度も飛行機で移動し、上昇下降を繰り返して、鼻が弱くなっていたとか?
とにかく、機内が暑すぎる……
って、膝にブランケットかけてるからだよ!とれよ!
右手は血まみれです。足元にバッグを大きく開いて置いていたので、鞄の内側にも鼻血がかかってしまいました。わたしは、イタリアの自転車会社「Bianchi」の黒くて厳つい、新品のショルダーバッグを使っていました。ブランドカラーであるミントグリーン色の裏地に鼻血がかかると、それはそれは目立ちます。この汚れは落ちないなと思ったので、悔しいけれど帰国後に処分しました。
持っていたティッシュをすべて使い切ってしまいました。
横のザンビア人の方に目で合図をしたら、ティッシュを恵んでくれました。
アムステルダムにいたとき、宿の部屋でゼミの友だちと
「こっちのポケットティッシュ、硬っ!」
「キッチンペーパーじゃんww」
「これで鼻かんだら鼻切れるわww」
と散々バカにしたのに、まさかこのティッシュで鼻血を止めることになるとは。
旅の終わりに感傷的になって、涙を堪えるために上を向いてるんじゃないんです。
鼻血が垂れないように上を向いているんです。
ドーハの夜明け。穏やかな夜明けだなぁ…